寒い季節が到来し、暖房を使う機会が増えると、感染症のリスクも高まります。
暖房中は快適な室温を保ちながらも、新鮮な空気を取り入れることが大切です。この記事では、エアコンを使いながら効果的に換気するコツをご紹介します。上手に換気を行って、健康的で快適な室内環境を保ちましょう。
エアコン利用中に換気が必要な理由
エアコン利用中に換気を行うとせっかく暖めた室内の温度が下がるので、つい換気がおろそかになってしまうという方も多いでしょう。
しかし、健康の維持や建物を長持ちさせるためには、エアコン利用中の換気は欠かせません。ここからは、エアコン利用中に換気が必要な理由について解説します。
ウイルスや細菌などを外部に逃がす
部屋を閉め切っていると、ウイルスや細菌が室内に入ることはないと思われるかもしれません。
しかし、外出から帰宅したときに、上着や服などに付着したウイルスや細菌を室内に持ち込んでしまうため、閉め切った室内の空気は意外に汚れています。室内の空気を常に新鮮に保つためには、ウイルスや細菌を外部に逃がす必要があります。特に風邪やインフルエンザなどの感染症が流行する季節には、定期的な換気が効果的です。
シックハウス症候群を予防する
シックハウス症候群とは、カビやダニ、家具や建材に含まれる化学物質を吸い込むことで引き起こされる、全身の倦怠感や喉の痛みなどの症状を指します。
現代の家屋は気密性が高く、空気がこもりやすい環境になっているため、シックハウス症候群が発生するリスクも高くなっています。換気を行うことで、有害な物質を室外に排出し、健康被害を防ぐ効果が期待できます。
結露を防ぐ
エアコンを稼働して長時間お部屋を閉め切っていると、室内外の温度差によって、窓や壁に結露が発生しやすくなります。
結露は窓枠や壁紙、カーテンなどにカビを発生させる要因となり、アレルギーや呼吸器疾患を引き起こす可能性が高まります。
また、木造建築の場合、結露による湿気で基礎や柱にカビや腐食が発生し、建物の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。定期的な換気を行うことで結露を防ぎ、健康的な室内環境を保ちましょう。
新鮮な空気を取り入れる
長時間換気がされていない室内は、空気が淀みやすくなります。暖房器具の使用で発生する一酸化炭素や花粉、ダニなどのハウスダストを取り除くには、定期的な換気が大切です。
また、ペットを飼っている場合には、ペットの毛やホコリが蓄積しやすく、アレルギーやぜんそくなどの健康被害を引き起こす原因にもなります。特に、朝起きたときや就寝前など、長時間換気ができない時間帯の前後に新鮮な空気を取り入れることで、室内の空気の質を向上させることができます。
人が多く集まるリビングや、調理を行うキッチンなどは、他の部屋よりも頻繁に換気を行うことが望ましいでしょう。
エアコンを利用しながら上手に換気するコツ
エアコン利用中は換気が大切とはいえ、せっかく暖めた室温を下げたくはありませんよね。
できるだけ効率よく短時間での換気を行うことで、エアコンを利用しながら上手に換気を行うことができます。ここからは、お部屋の温度をできるだけ下げずに換気するためのコツをご紹介します。
エアコンはつけたまま換気する
エアコンをつけたまま換気を行うことで、室温の急激な低下を防ぎます。エアコンは、稼働時に大きな電力を消費するため、こまめに電源のオンオフを繰り返すと、逆に電気代が高くなってしまいます。
換気をする時には、暖房は付けたまま短時間で空気を入れ替えるようにしましょう。また、暖かい空気は冷たい場所に流れる性質があるため、お部屋を暖めた状態で換気をすれば、室内の空気が外に出やすくなるという効果もあります。ちなみに、暖かい空気は上に上がっていくため、エアコンの風向きは足元に向けて稼働しておくのがおすすめです。
窓があれば入口と出口を作る
効率的な換気を行うためには、一時的に窓を開けるだけで済むように空気の通り道を作ることが大切です。部屋に複数の窓がある場合は、対角線上にある窓を開けて、空気の流れを作りましょう。
また、窓は全開にするのではなく、空気の入り口の窓は5~15cmほど、出口の窓は大きく開けておくのが効果的です。こうすることで、空気の流れを作ることができ、短時間で効率的に空気を入れ替えることができます。
ここで気を付けたいのが、開ける窓の場所です。エアコンが外の冷たい空気を吸ってしまうと、温度を感知して暖房のパワーを上げて運転をする可能性があります。できるだけエアコンから離れた場所にある窓を開けると、節電にもつながります。
窓が1つ・窓がない場合はサーキュレーターの活用を
窓が一つしかない部屋や、窓がない部屋の場合は、たとえ窓を開けてもうまく空気が動かず、換気に時間がかかってしまいます。その場合は、サーキュレーターを活用しましょう。サーキュレーターを開放した窓に向けて稼働させると、簡単に部屋の汚れた空気を外に逃すことができます。
また、首振り機能は使用せずに、窓の外に向かってまっすぐな風を送るのもポイントです。空気の流れを人工的に作ることで、換気効率を高めることが可能です。
もし換気扇がある部屋であれば、換気扇を回しながら窓を開けて、よどんだ空気を外に逃がしましょう。窓がない部屋を換気するときには、ドアを開けて窓がある部屋と空間をつなげて空気を入れ替えるのもおすすめです。部屋の外に向かってサーキュレーターを稼働することで、窓のない部屋でも換気をすることができます。
時間は短く、回数はこまめに
長時間の換気は室温を大きく低下させるため、短時間の換気を頻繁に行うことがポイントです。1回あたり5~10分間の換気を1日に数回行うことで、室内の空気を新鮮に保つことができます。
また、換気を行うときには時間帯にも気を付けましょう。室内の温度を下げずに換気を行うには、気温が下がる夕方や夜の換気は避け、日中の外気温が高い時間に行うのがおすすめです。
まとめ
エアコンを使用する際には、定期的な換気が重要です。ウイルスや細菌の除去、シックハウス症候群の予防、結露の防止、新鮮な空気の取り入れなど、換気にはさまざまなメリットがあります。
エアコンをつけたまま換気を行い、窓やサーキュレーターを活用しながら効率的に換気を行うことで、快適な室内環境を保ちましょう。健康的な生活を送るために、今回ご紹介した効果的な換気のコツをぜひ日常に取り入れてみてください。