エアコンを選ぶ基準には、設置する環境や利用状況、必要な機能などさまざまなポイントがあります。
選び方によっては、初期費用や光熱費の面で損してしまうことも。今回は、エアコンを選ぶときに注目したい4つのポイントについて解説します!
畳数の決定には「建物の構造」も重要!
エアコンを購入する際、まず気になるのが「対応している畳数」です。広い部屋であれば大きい畳数のものを、小さい部屋であれば小さな畳数のものを、という基準で選びがちですが、実は「畳数の目安」として書かれている数値には「建物自体の構造」も関わっています。
例えば、エアコンのカタログに以下のような表示がされているとします。
上記の場合、「冷房では8〜12畳の部屋に対応できる」と考えがちですが、本来の意味は異なります。
実は、目安として書かれている一番小さな畳数(8畳)は「木造平屋建ての南向き和室」を想定しており、一番大きな畳数(12畳)は「鉄筋造アパート中層階の南向き洋室」を想定しているのです。
つまり、購入するエアコンを決めるときには設置する部屋の広さだけでなく、「建物の構造は何か」「部屋の窓が向いている方角はどこか」といった条件もしっかりチェックしておくことが必要なのです。
また、暖房性能は冷房性能よりも対応畳数が小さくなっていることが一般的です。冬場もエアコンを使う場合には合わせて確認しておくと良いでしょう。
省エネ性能は利用頻度も確認しよう
同一面積に対応できる同じメーカーの商品であっても、価格が大きく異なる場合があります。その理由の一つが、「省エネ性能」です。
エアコンの省エネ基準は令和4年5月に新しいものが策定されており、現在は以下のような統一デザインの省エネラベルが採用されています。
経済産業省:エアコンの省エネラベル表示が変わります
改正後の基準では、これまでの5段階評価をより細かくした「1.0から5.0までの0.1きざみの41段階評価」が採用されています。
また、評価の基準も一定の省エネ基準達成率から「エネルギー消費効率(エアコンの場合はAPF)」に変更され、数値に応じて星の数が決まるようになりました。星の数が多いほど省エネ性能が高い製品であることが分かりやすいよう、基準が大幅に改善されているのです。
エアコンにかかるコストは本体価格だけでなく、日々の光熱費にも着目することが大切です。特にリビングなど利用頻度の高い場所に設置する場合は、できるだけ星の数が多い上位モデルを選ぶようにすると良いでしょう。
一方、利用頻度の低い寝室や子ども部屋などに設置する場合、必要以上の高スペックモデルはあまりおすすめできません。エアコンの「省エネ性能」を選ぶ際には、設置場所と利用状況のバランスを考えながら選ぶようにしてくださいね。
空調以外にあるとうれしい付加機能とは
基本的な空調機能以外にも、最近のエアコンにはさまざまな付加機能が搭載されています。すべての機能を網羅するのはなかなか難しいので、付加機能を選ぶときには理想のライフスタイルや現在の生活状況を踏まえて、本当に必要なものを絞っていくことが大切です。
ここからは、エアコンの付加機能について詳しくご紹介していきます。
空気清浄機能
室内の空気をきれいに保つ「空気清浄機能」は、「どの程度のきれいさを求めるのか」によって選ぶべき機能が異なります。
日常生活で発生するほこりやカビ、花粉、細菌などの物質を集めて空気を浄化する一般的な「空気清浄機能」だけでなく、最近ではさらに細かいチリまで対応した「PM2.5対応」モデル、イオンの力で空気中にある菌やカビを抑制する「除菌機能」、ペットやたばこなどの嫌なにおいを除去する「脱臭」機能なども登場しています。
空気清浄機能が搭載されたモデルを選ぶ場合には、設置する場所の状況に応じて、どこまでのスペックが必要なのか検討すると良いでしょう。
お手入れ機能
最近のエアコンは、お手入れ機能の性能も大きく進化しています。
代表的な例として、エアコン運転時に発生する水を利用し熱交換器の汚れを洗い流してくれる「自動熱交換器洗浄」や運転停止後に内部を乾燥させカビの発生を抑える「内部乾燥」、メンテナンスの手間が省ける「フィルター自動お掃除」などの機能があり、多くの製品にも採用されています。
しかし、たとえお手入れ機能がついていても、エアコン内部の洗浄まではカバーしきれていないのが現状です。お手入れ機能付きのエアコンは通常のエアコンよりクリーニング費用が割高になるケースがほとんどですので、メンテナンスの手間や費用とのバランスを見ながら必要かどうか判断するようにしましょう。
センサー機能
現在のエアコンには、さまざまなセンサー機能が搭載されています。
たとえば室内の人の位置を検知する「人感センサー」がついたエアコンの場合、室内に人がいなくなると自動で停止する製品もあり、エアコンの消し忘れ対策に繋がります。また、日差しの強弱を検知する「日射センサー」が搭載されている機種では、冷房時に日差しが弱いときは自動で運転を控えめにしてくれるので、手間をかけずに無駄を省くことが可能です。
いちいちリモコンを使うのが煩わしい場合や家族の体感温度が異なる場合など、細かく調整しながら利用したいときにはぴったりのセンサー機能がないか探してみると良いでしょう。
AI機能
最新のエアコンには、AI機能を取り入れた機種も登場しています。
「AI自動運転」を搭載したモデルでは、AIがひとりひとりの体感温度や外の気温変化などを先読みし、運転を自動コントロールする仕様になっています。センサー機能と同じくいちいちリモコンで微調整する必要がないのはもちろん、その家庭に合わせた快適な温度や湿度を学習しながら対応してくれるのがAI機能のメリットです。
一般的なエアコンと比べると値が張る商品がほとんどですが、特に省エネを重視したいという場合は選択肢に入れてみても良いでしょう。
IOT機能
IOT(Internet of Things)とは、モノをインターネットやネットワークで繋げる技術を指します。
最近ではエアコン以外にもスマートフォンなどと接続できる家電が増えてきており、より快適な暮らしを実現できるようになっています。
IOT機能を搭載したエアコンを設置すると、スマートフォンに入れた専用アプリでエアコンを外出先から動かしたり、スマートスピーカーと連動させて手がふさがっている状態でも音声で温度調整したりといった使い方ができるようになります。効率よくエアコンを利用したい場合には、ぜひ検討してみてくださいね。
必要な性能は設置場所で決まる
ここまで「畳数」「省エネ性能」「付加機能」の3つのポイントを解説してきましたが、エアコン選びで特に大切なポイントは「設置場所」です。エアコンは、設置する場所によって必要な機能や性能が大きく左右されます。
たとえば家族が集まるリビングに設置する場合、長時間つけっぱなしで利用する可能性が高ければ省エネ性能を重視したモデルが最適といえます。また、効率よく室温を調整するための「人感センサー」やきれいな空気を保つための「空気清浄」など、よく利用するリビングだからこその付加機能も検討する必要があります。ハイスペックモデルや機能性のバランスが取れた中級モデルの中から、部屋の広さなども考慮して選ぶと良いでしょう。
一方、子ども部屋や寝室など利用シーンが限られる設置場所の場合、必要以上のスペックや付加機能は必要ありません。「子ども部屋は空気をきれいに保ちたい」「エアコンをつけっぱなしにして快適に眠りたい」など、部屋ごとのこだわりを踏まえてコストパフォーマンスの良い機種を選ぶことをおすすめします。
まとめ
新しい機能が増えたり、性能が上がったり、近年のエアコンはますます進化しています。安い買い物ではないからこそ、自分に合ったエアコンを選ぶのはなかなか難しいという声もよく耳にします。もしエアコン選びに迷ったときは、専門家に相談するのが一番です。
エアココでもご家庭に最適なエアコン選びをサポートしております。お困りの際には、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。