エアコンの買い替えや増設をする時に確認すべき「アンペア容量」についてご存じでしょうか。
買い替えや増設で必要な電気量が増えると、今までのアンペア容量では足りず、不具合が発生するかもしれません。反対にご自宅で契約しているアンペア容量が大きすぎる場合は、無駄な電気料金を支払っている可能性があります。
今までアンペア容量について気にしたことが無かったという方も、エアコンの買い替えや増設のタイミングで適正なアンペア容量について見直してみましょう。
アンペアって何?
アンペアとは、電気が流れる量の単位のことです。
消費電力が大きい電化製品を使用する時には、大きなアンペア容量が必要になります。
つまり、たくさんの家電を使う場合や消費電力が大きい家電を使う場合には、ご自宅で契約しているアンペア容量を大きくする必要があるのです。
消費電力の高い家電って?
消費電力の高い家電としては、
①エアコン
②テレビ
③洗濯機
④電子レンジ
⑤IHクッキングヒーター
⑥ドライヤー
などが挙げられます。
これらの家電を一度に使用する場合には多くのアンペア容量が必要になります。
電気回線は部屋ごとに分かれていることが多いため、家電を使用する部屋が異なっている場合や使用するタイミングが異なる場合には、1部屋あたりのアンペア容量をある程度抑えられる場合もあります。
アンペア容量が足りないとどうなる?
ご自宅の電気使用量が多く、電力会社と契約しているアンペア容量を上回ったときには、ブレーカーが落ちてしまいます。
問題なのは、ブレーカーが落ちるとその部屋の電気回線で使用している全ての電化製品の電源が切れることです。そのため、頻繁にブレーカーが落ちるとストレスになるだけでなく、電化製品全体にもダメージが及び、故障や不具合の原因となる恐れがあります。
エアコン増設・買い替え時にはアンペア容量を確認
エアコンは消費電力が高い電化製品の1つです。
エアコンの増設を行う場合には、複数の部屋で同時にエアコンを使用する機会も増えるでしょう。
また、今までより性能の良いエアコンに買い替えた場合も、ご自宅のアンペア容量では足りなくなる可能性があります。エアコンの増設、買い替えの際には、ご自宅が契約しているアンペア容量とエアコンの稼働に必要な消費電力を必ず確認するようにしましょう。
自宅の契約アンペア容量を確認
エアコンの増設や買い替えをする際には、まずご自宅の契約アンペア容量を計算しましょう。
契約アンペア容量は、電力会社からの検針票や契約者専用WEBページ、ご自宅に設置されている分電盤に記載されています。
もし不明な場合には契約している電力会社に電話して確認することも可能です
エアコンの消費電力は、気温や設定温度によって大きく変動するため、ある程度余裕を持たせてアンペア容量を契約しておくことをおすすめします。
エアコンのアンペア容量の確認方法
次に、エアコンの稼働に必要なアンペア容量を計算しましょう。
アンペア容量の計算式は以下の通りです。
■計算式
「アンペア容量(A)=消費電力(W)÷電圧(V)」
これで必要なアンペア容量を出すことができます。
エアコン本体には消費電力などの性能について記載しているシールが貼っていることが多いので合わせて確認しておきましょう。
たとえば、
規格消費電力940Wの11畳~17畳の電圧200Vエアコンを使用したいときに必要なアンペア容量は、
「940(W)÷200(V)=4.7(A)」となります。
エアコンには、電圧が100Vのものと200Vのものがありますが、V数が倍になるとアンペア容量は半分になります。
100Vと200Vでは、稼働に必要なアンペア容量は大きく異なるため、間違えないように注意しましょう。また、エアコンが対応している畳数が大きいと消費電力も大きくなります。お部屋の大きさに適した畳数のエアコンを選択することも大切です。
さらに、エアコンを使用する部屋で同時に他の家電を使用する場合にはより多くのアンペア容量が必要になります。エアコンの他、テレビ、洗濯機、電子レンジなど消費電力の大きい電化製品のアンペア容量についても同様に確認しておくと良いでしょう。
世帯人数によって必要なアンペア容量は変わる
世帯人数が増えると必要なアンペア容量も増えていきます。
たとえば、1~2人暮らしなら「30A」、2~3人なら「40A」、4人以上は「50~60A」、それ以上の場合は60Aが目安です。
共働きで日中不在のことが多い、部屋数が少ないという場合には、必要なアンペア容量は少なくて済む場合もあります。
一方、赤ちゃんやペットがいてエアコンを付けっぱなしにしている、食洗器や衣類乾燥機を使うなどの場合には、より多くのアンペア容量が必要になるでしょう。また、真夏や真冬は、他の電化製品とエアコンを併用して使用する機会も多く、エアコンの利用頻度も増えます。
家族構成や生活スタイルの他、季節や使用する電化製品の種類によっても必要な消費電力は変化します。
一般的には家族が増えると必要なアンペア容量も増えることが多いです。エアコンの増設や買い替えの他、家族構成の変化などがあったときにはアンペア容量を見直す必要があるでしょう。
アンペア容量を増やしたいとき
ご自宅で使用するアンペア容量が足りない場合は、契約している電力会社に容量の変更を申し込むことができます。アンペア容量を変更するときには、最も多くの電化製品を使用した場合を想定して計算しましょう。
ただし、電力会社によって料金体制が異なる点には注意が必要です。たとえば、東京電力、中部電力、北陸電力などは契約しているアンペア容量によって基本料金が決まる基本料金制です。一方、関西電力、四国電力、沖縄電力などはアンペア数に関わらず一契約あたりの最低料金が決まっており、支払額はでんきの使用量に応じるという最低料金制を採用しています。
そのため、契約している電力会社が基本料金制を採用している場合には、どの大きさのアンペア容量を契約するのかによって基本料金が変わってきますので、無駄のないアンペア数になるようしっかり考えて選ぶ必要があります。一方、最低料金制を採用している電力会社の場合は、使用した電気量によって支払金額が決定するため、契約時にアンペア容量を気にしすぎる必要はありません。ご自宅が契約している電力会社の料金体制について確認するようにしましょう。
アンペア容量が多いとどうなる?
アンペア容量は小さいよりも大きい方が安心だと思うかもしれませんが、大きければ良いというわけではありません。
アンペア容量が余っていると電気料金を必要以上に支払うことになってしまいます。
特に基本料金制を採用している電力会社と契約している場合、電気料金は基本的に毎月定額で発生し、実際に使った電気量とは関係がないため注意が必要です。アンペア容量が大きすぎる、または小さすぎるときには電力会社に変更の申請を行い、自宅の電気使用量に見合った容量を契約するようにしましょう。
まとめ
エアコンの増設や買い替え時にはアンペア容量を確認することが大切です。
アンペア容量は少なすぎるとブレーカーが落ちてしまいますが、多すぎても無駄な電気料金を払うことになってしまいます。エアコンの増設や買い替えのタイミングで、ご自宅の契約アンペア容量の確認やエアコンに必要なアンペア容量の計算をしておくことがおすすめです。
必要なアンペア容量は、世帯人数や生活スタイル、使用する家電、季節によっても変化するため、少し余裕をもって適正なアンペア容量を契約するようにしましょう。