電気代の高騰を受け、エアコンを選ぶ際に「省エネ性」を重視される方が増えました。
CO2排出による地球温暖化といった環境問題に対する高い意識も、省エネエアコンへの関心を高める理由のひとつとなっています。
この記事では、エアコンの省エネ性能について解説。2022年に改正された統一省エネラベルの見方を踏まえながら、省エネのエアコンを選ぶポイントをご紹介します。
省エネ性能の高いエアコンを選ぶメリット
私たちが生活の中で使用している、さまざまな電化製品。その中でもエアコンは、家庭において一日の消費電力が最も大きい電化製品だとご存じですか。
引用URL:家庭における家電製品の1日での電力消費割合(経済産業省)
経済産業省資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によると、一日におけるエアコンの電気消費割合は、夏季・冬季ともに30%を超えています。
電気消費の割合が大きいということは、エアコンの使用が電気代に与える影響も大きいということ。エアコンを省エネ性の高いものにすれば、家庭の消費電力を効率よく減らし、電気代も抑えられるようになります。
引用URL:家電製品協会「2024年度版スマートライフおすすめBOOK」
エアコンの省エネ性能は、年々発達しています。同じ冷暖房の能力を持ったエアコンでも、過去の機種より最新機種の方が消費する電力が少なく済むケースが多いです。
たとえば上の図は、2013年の製品と2023年の省エネタイプの製品で、省エネ性を比較したものです。こちらを見るとエアコンの期間消費電力が、10年前と比べて約15%下がっていることが分かります。
引用URL:省エネ製品に買い替えると何が良いの?(環境省)
また、環境省による2012年製品と2022年製品の電気代の比較では、新しい製品の方が約15%も安くなる試算が出ています。
このように、生活に欠かせないエアコンを省エネ性の高いものにすると、消費電力とCO2排出量を減らすだけではなく、毎月の電気代を節約できるようになるのです。
エアコンの省エネ性能は「統一省エネルギーラベル(統一省エネラベル)」で確認する
エアコンの省エネ性能は、エアコン本体やカタログなどに表示されている「統一省エネルギーラベル(統一省エネラベル)」で確認できます。
「統一省エネラベル」とは、エネルギーの消費量が多いエアコンや冷蔵庫などの電化製品において、省エネ性能の違いを分かりやすく表示したラベルのことです。省エネ性能を星の数で評価して示し、年間の目安電気料金なども表示しています。
「統一省エネラベル」表示は、消費者の省エネへの意識向上と、省エネ商品の選択の促進を目的に採用されているものです。
2022年改正後の新「統一省エネラベル」の見方
引用URL:エアコンの省エネラベル表示が変わります(経済産業省)
2022年10月1日、「統一省エネラベル」は現在のものに改正されました。
改正の理由として、日本のエネルギー消費が伸びており、今よりもさらに省エネを進める必要があることが挙げられます。また、日本人は環境に対する高い関心や意識を持っています。製品の省エネ性をより分かりやすく表示し、消費者に省エネ商品を広げていく役割もあると言えるでしょう。
改正後の新統一省エネラベルには、次のような項目が記載されています。
① 多段階評価点(星の数)
② 省エネラベル(目標年度・省エネ基準達成率・APF)
③ 年間の目安エネルギー料金
次の章で、統一省エネラベルの詳しい見方をご説明します。
「省エネルギーラベル(省エネラベル)」でエアコンの省エネ性を詳しくチェック
省エネラベルでは、次のA~Gの項目を見て、製品の省エネ性を確認しましょう。
・A:多段階評価点
製品の省エネ性能を高い順に5.0~1.0の41段階で表示しています。
旧ラベルでは5~1の5段階だった評価区分を0.1刻みの評価点にすることで、新ラベルはより詳しい性能表示ができるようになりました。この評価点が高いほうが、省エネ性能に優れているということになります。
また省エネ性は、評価点に応じて決められた星の数でも表されています。旧ラベルでは、星の数は「省エネ達成率」に基づいて決定されていました。しかし改正後の新ラベルの星の基準は、「エネルギー消費効率(APF)」に基づいて計算した評価点となっており、半星を含めた5~1の9段階で星の数が決められています。
・B:省エネ性マーク
省エネ性マークでは、目標年度の省エネ基準を達成しているかを確認できます。達成率が100%以上であれば緑色、100%未満であればオレンジ色のマークがついています。オレンジ色のマークの製品より、緑色のマークの方が省エネ性が高いということです。
省エネ性マークの下には、目標年度が表示されています。新ラベルにおける目標年度は2027年で、それ以前は2010年となっていますので注意してください。
・C:省エネ基準達成率
省エネ法で定められた省エネ基準を、どのくらい達成しているかが「パーセンテージ」で示されています。この数字が大きいほど、省エネ性に優れています。
・D:APF(通年エネルギー消費効率)
APF(通年エネルギー消費効率)は、1年を通して一定条件のもとにエアコンを使用したときの、1kW当たりの冷暖房能力を表した数値です。1年を通してどれくらいの効率で冷暖房が可能かを示し、APFの数値が大きいほど省エネ性能が優れた製品だと言えます。
・E:年間の目安電気料金(円)
その製品を1年間使用した場合にかかる、年間の目安電気代を示しています。
・F・G:年間の目安電気料金の算出方法や注意点
ラベルの一番下には東京の外気温を前提に算出した年間の目安電気料金や注意事項が記載されています。
積雪や低温による故障を防止するように作られた「寒冷地仕様エアコン」には、「寒冷地仕様」のラベルが貼られています。これにより、寒冷地における目安電気料金が、より実際に近い数字で算出できます。
「統一省エネラベル」を見るときは「目標年度」に注意!
引用画像:統一省エネラベル
引用URL:一般社団法人日本冷凍空調工業会
ここまで統一省エネラベルについて詳しく見てきましたが、「最終的にどこを基準に選んでいいのかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。そんなときはまず、「見ている統一省エネラベルが、旧ラベルではなく、新ラベルかどうか?」を確認しましょう。
統一省エネラベルは、2022年10月から新ラベルに改正されましたが、翌年2023年の9月30日までは旧ラベルの表示も可能でした。新旧のラベルのどちらも表示可能な時期があったため、お手元にあるエアコンやエアコンカタログの統一省エネラベルが、改正前の旧ラベルの可能性があるのです。
その製品の統一省エネラベルの新旧は、省エネ性マークの下にある「目標年度」で判別できます。改定後の新ラベルであれば目標年度が2027年、それ以前の物だと2010年になっています。
旧ラベルで達成率が100%を超えている製品でも、新しい基準に照らし合わせると達成率が80%台まで下がる場合もあります。エアコンの省エネ性を正確に知るために、まずは目標年度を確認して最新の情報を手に入れましょう
省エネエアコンの購入前に知っておくといいこと
最後に、省エネエアコンの購入を検討する際に知って良いことを紹介していきます。
省エネ性で選ぶなら省エネ大賞を受賞した三菱エアコン「霧ヶ峰」がおすすめ
省エネ性の高いエアコン選びに迷ったら、まず三菱のエアコン「霧ヶ峰」をチェックしてみてください。
三菱は省エネ性に定評があるエアコンメーカーで、主力エアコン「霧ヶ峰」の2024年度モデルZシリーズでは「2023年省エネ大賞」を受賞しています。Zシリーズはどの大きさのエアコンでも2027年度の目標を達成しており、省エネエアコンとして高い評価を受けているのが特徴です。
「子育てエコホーム支援」対象者ならエアコン設置でもらえる補助金も
「子育てエコホーム支援」とは、物価の高騰の影響を受けやすい子育て世代や若者夫婦世代の住宅の省エネ改修などを支援することで、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指す事業です。
「子育てエコホーム支援」の支援対象者であれば、住宅のリフォーム改修の一環としてエアコンを設置する場合に、補助金を受けられるケースがあります。
エアコンのみの購入や設置では補助対象にはなりませんが、ご自身が対象となる世帯であり、改築リフォームをお考えの場合はあわせてチェックしてみてください。
まとめ
今お使いのエアコンが、購入してからどのくらい経っているかを把握していますか?
上でお伝えした通り、エアコンの進化は目覚ましく、10年前と比べると省エネ性能が格段に上がっています。エアコンへの買い替えは、消費電力や電気代を減らすチャンス!省エネ性の高いエアコンを選び、上手に節電・節約をしましょう。
統一省エネラベルの見方がよく分からない、ご自身で省エネエアコンを選ぶのが難しいといった不安があれば、弊社へご相談ください。お客様のご希望に沿うエアコン選びのお手伝いをいたします。