花粉やアレルギーが気になる、ウイルス対策をしたい、小さなお子さんがいるなどの理由で、お部屋の空気をきれいに保ちたいという方が増えてきています。
それにより、近年は空気清浄機能のついたエアコンのニーズも高まっています。今回は、空気清浄機能つきエアコンを使用するメリットや、メーカー別エアコンの空気清浄機能について解説します。
エアコンの空気清浄機能のメリット・デメリット
エアコンに搭載されているさまざまな機能の中で、多くの方が気になるのが「空気清浄機能」ではないでしょうか。
ここでは、エアコンの空気清浄機能を使うメリットとデメリットを紹介します。
エアコンの空気清浄機能を使用するメリット
エアコンの空気清浄機能を使用する大きなメリットとして、「空気清浄機を追加で購入せずに済む」ことが挙げられます。
購入する家電が1台で済むので代金も抑えられますし、別々にお手入れをする手間も省けます。
また、空気清浄機を床に置く必要がなく、お部屋のスペースを広く活用できるメリットもあります。
エアコンで部屋の温度を調節しながら空気をきれいにできるのも、エアコンの空気清浄機能を使用するメリットです。暑い時期や寒い時期は、エアコンの使用が欠かせませんよね。
しかし部屋を冷やしたり暖めたりすることを優先すると、部屋が閉め切りになり、ウイルスやほこりなどでお部屋の空気が汚れがちになってしまいます。エアコンの空気清浄機能を使えば、冷暖房機能でお部屋の温度を調整しながら空気中の汚れも除去できるのです。
エアコンの空気清浄機能を使用するデメリット
一方で、空気清浄機の専用機と比べると、エアコンの空気清浄機能は性能が劣るというデメリットがあります。
しっかりとお部屋の空気をきれいにしたい方は、エアコンとは別により性能の高い空気清浄専用機を使用するのがいいでしょう。また基本的に、エアコンの空気清浄機能は室内の空気をきれいにする機能で、部屋の換気を行うものではありません。その点にも注意が必要です。
エアコンの空気清浄機能の仕組みは「3種類」
エアコンの空気清浄機能の仕組みには、いくつかの種類があります。主な種類は「イオン放出式」「フィルター集じん式」「電気集じん式」の3つです。それぞれ、どのような仕組みで空気をきれいにするのか見ていきましょう。
イオン放出式
エアコン内で発生させたイオンを放出して、空気清浄を行うのが「イオン放出式」です。エアコンから放出されたイオンが、空気中に漂うウイルスや菌、花粉、ほこりなどの汚染物質を包み込み、分解してお部屋の空気をきれいにします。
イオンの放出により空気中の汚れにアプローチするもので、「フィルター集じん式」や「電気集じん式」のように、エアコン内部に汚れを吸いこむわけではありません。シンプルな構造のため、他の仕組みの空気清浄機能付きエアコンより、比較的安価にできるメリットがあります。
フィルター集じん式
「フィルター集じん式」は、空気中の汚染物質を専用のフィルターで捕集し、空気をろ過してきれいにする仕組みの空気清浄機能です。
フィルターにより微細な汚れまで吸着することができますが、汚れが溜まるとフィルターが目詰りを起こして性能が下がります。空気清浄機能を保つためには、定期的なフィルター交換が必要で、交換の手間やフィルターの購入代金がかかるというデメリットがあります。
電気集じん式
高圧放電によって帯電させた汚れを電極板などに吸着させて、空気をきれいにするのが「電気集じん式」の空気清浄機能です。「フィルター集じん式」と異なりフィルター交換が要らず、目詰まりによる性能低下が起こりにくいというメリットがあります。一方で「電気集じん式」は仕組みが複雑で小型化しにくいため、エアコン本体が大きくなる傾向があることも抑えておく必要があるでしょう。
【メーカー別】エアコンの空気清浄機能
エアコンの空気清浄機能の種類や特徴は、エアコンメーカーごとに異なります。日本の主要エアコンメーカー5社の空気清浄機能について、詳しくご説明します。
ダイキン DAIKIN
ダイキンのエアコンは「ストリーマ」という独自の空気清浄機能を搭載しています。ストリーマとは、強い分解力を持つプラズマ放電の一種です。ダイキンのエアコンでは、そのストリーマの分解力で有害物質を捕集・抑制して、お部屋の空気をきれいにする仕組みです。
またダイキンのエアコンでは、集じんフィルターとして、抗ウイルス作用のある静電フィルターを採用しています。
パナソニック
パナソニックのエアコンの空気清浄機能の特徴は、独自の清潔イオンである「ナノイーX」を使用している点です。
エアコンからナノイーXを放出し、空気中のウイルスなどの有害物質を抑制することで、お部屋の空気を清潔にします。一部のシリーズには、室外機に「換気・除加湿」ユニットがついており、換気をしながら冷暖房機能を使用できます。
日立
日立のエアコンはイオン放出式の空気清浄機能「プラズマイオン空清」を採用しています。
さらにパワーアップした空気清浄機能「Premiumプラズマ空清」では、従来モデルより放出するイオンの量が大幅に増え、よりすばやく空気中の菌やウイルスなどを抑制できるようになりました。「Premiumプラズマ空清」は、空気清浄と同時にカビの抑制も行えるのも特徴です。
また、別売りの空気清浄フィルター別売りとあわせて使うと、PM2.5の約98%を捕集することができます。
三菱
三菱のエアコンの空気清浄機能は「ピュアミスト」です。ピュアミストは、室内に細かいミストを放出し、空気中の汚染物質を抑制して空気を清潔にします。ピュアミストには空気清浄だけではなく、脱臭機能もあります。また、肌や髪に潤いを与える効果も持っているため、美容に高い関心を持つ方に嬉しい空気清浄機能と言えるでしょう。
さらに三菱のエアコンの一部モデルには「ヘルスエアー機能」が搭載されています。ヘルスエアー機能には、エアコン内部を通過する空気中の菌やウイルスを電気の力で捕えるという特徴がありますのでこちらもチェックしておきましょう。
日本キヤリヤ(旧東芝)
日本キヤリヤ(旧東芝)のエアコンは、電気集じん式の空気清浄機能「プラズマ空清」を採用しています。
プラズマ空清は、電気の力で空気中に漂うカビやホコリだけではなく、花粉や黄砂、PM2.5といった微細な汚れまで集じんすることが可能です。センサーで目に見えない汚れを測り、汚れ具合をモニターの色で教えてくれる「空清みはり」機能もあります。
日本キヤリヤのプラズマ空清が搭載されているモデルは、空気清浄だけの単独運転ができるのが特徴的です。冷暖房機能を使わない季節も空気清浄機として使え、季節を問わず活躍してくれるでしょう。
まとめ
空気清浄機能つきエアコンのメリットや、空気清浄機能の種類・仕組みについてご紹介しました。
それぞれの特徴やメリットを知り、ご自身に合った空気清浄機能を搭載したエアコンを選びましょう。
エアコンの空気清浄機能はメーカーごとに名前が異なり、分かりにくい、選びにくいという方もいらっしゃるでしょう。エアコンの空気清浄機能について詳しく知りたい、どのエアコンを選べばいいか分からない場合は、お気軽に弊社までご相談ください。お客様に合った空気清浄機能つきエアコン選びのお手伝いをさせていただきます。