猛暑日が続く真夏を乗り切るためにはエアコンが欠かせません。
しかし、長時間エアコンを使用していると気になるのが電気代です。電気代を節約するためにはエアコンをこまめに消すべきか、つけっぱなしにしておくべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。今回は、ダイキンのサイトをもとに、節電効果の高いエアコンの使い方や利用場所・条件に合わせたエアコンの選び方について解説します。
エアコンはつけっぱなしの方がお得?
エアコンはつけっぱなしの方がお得と聞いたことがありませんか?
エアコンの消費電力を抑えるためには、状況によって使い方を変えることが大切です。ここからは、エアコンを「つけっぱなしにした場合」と「こまめに消した場合」の消費電力の違いと、温度・湿度の変化について説明します。
「つけっぱなし」と「こまめに消す場合」の消費電力の違い
参考URL:https://www.daikin.co.jp/air/life/issue/mission05
こちらのグラフは、各部屋のエアコンを9:00~23:00まで、つけっぱなしとこまめに入り切りで運転し、それぞれの消費電力を比較したものです。
グラフを見てみると「外気温が高い9:00~18:00はエアコンをつけっぱなし、外気温が下がる18:00~23:00はこまめにエアコンを消した方が消費電力を抑えられる」という結果が出ています。
エアコンは、外気温と設定温度の差が大きいほど、部屋を冷やすために多くの電力を消費します。そのため、外気温が高い日中に何度もエアコンをつけたり消したりすると電気代が高くなりやすいのです。
エアコンは、外気温の変化以外にも日差しなどの影響を受けるため、必ずしもこの通りというわけではありませんが、基本的にエアコンは運転開始直後の消費電力が大きくなることを覚えておきましょう。
「つけっぱなし」と「こまめに消す場合」の温度・湿度の変化
エアコンを「つけっぱなしにした場合」と「こまめに消した場合」で、室内の温度湿度にどのような変化があるのか見てみましょう。
参考URL:https://www.daikin.co.jp/air/life/issue/mission05
こちらは、エアコンをつけっぱなしにした部屋とこまめに入り切りした部屋のそれぞれの温度と湿度の推移を表したグラフです。
気温の高い14:30から30分間外出したとすると、エアコンをつけっぱなしの部屋は室温26.5℃湿度69%であるのに対し、エアコンを消した部屋は室温27.5℃、湿度77%に上昇していることが分かります。つまり、気温の高い日中に何度も運転をオフにしていると部屋の室温・湿度がすぐに上昇し、エアコンを稼働するたびに多くの電力を消費してしまいます。
電気代を抑える上手なエアコンの使い方
運転開始時に多くの電力を消費するのならば、エアコンを消さずにずっと運転している方がよいのでは?と思うかもしれません。しかし、外出などで長時間家を空けるときには、もちろんエアコンを消している方が節電になります。電気代を抑えるためには、状況に応じて上手にエアコンを使いましょう。
時間帯によって使い方を変える
気温が高い日中にエアコンのオン・オフを繰り返すと、かえって消費電力が大きくなってしまいます。そのため、短時間の外出であればつけっぱなしにしておくことがおすすめです。一方、気温が下がる夜はエアコン起動時の消費電力が小さくて済むため、つけっぱなしよりもこまめにオフする方が、電気代が安くなります。エアコンを使用する時間帯によって、オン・オフを使い分けることが大切です。
消している時間の長さで考える
「気温が高い日中であれば何時間でもエアコンをつけっぱなしにしていてよい」というわけではありません。
節電のためには、エアコンを消している時間の長さが重要となります。ダイキンの実験では、日中は30分以上、夜間は18分以上外出するのであれば、エアコンを消した方が消費電力が抑えられるという結果が出ています。反対に、短時間の外出や温度調整などで頻繁にエアコンをつけたり消したりしていると、電気代が高くなる可能性があるのです。
フィルターを掃除する
エアコンのフィルターに汚れや目詰まりがあると、効率的な運転ができず消費電力が高くなってしまいます。電気代を節約するためには、2週間に1度を目安にフィルターのゴミやほこりを取り除くなどの掃除を行いましょう。
サーキュレーターや扇風機を併用する
サーキュレーターや扇風機を使用すると、エアコンから少し離れた部屋の隅にも涼しい風を送ることができます。また、身体に冷たい風を送ると体感温度が下がるため、必要以上にエアコンの設定温度を下げたり風量を上げたりする必要がありません。
一般的にサーキュレーターや扇風機はエアコンよりも消費電力が少ないため、効率的に併用することで電気代節約につながります。
換気をしてから使う
暑すぎる部屋を冷やそうとすると、それだけ大きな電力が必要になります。長時間の外出から帰ってきて部屋の中が蒸し暑い状態になっているときに、エアコンをつける前に換気をして室内の熱気を逃しましょう。
エアコンの風向きに注意する
暖かい空気は上に、冷たい空気は下に流れる性質があります。効率よく部屋を冷やすためには、冷房の風向きは上か水平方向にして、冷たい空気を上から下に循環させることが大切です。
人がいる場所の空気を冷やそうと冷房の風向を下向きにすると、上の方の空気が冷やされずに温度ムラができ、多くの電力を消費してしまいます。センサー機能がついているエアコンでも、温度ムラがあると正しく温度を感知できず、必要以上に部屋を冷やして余分な電力を使うことがあるため注意しましょう。
室外機の置き場所に気を付ける
室外機は、部屋の中の熱を外に逃がす役割があります。夏場、直射日光にさらされて室外機の温度が高くなると、効率的に熱を排出することができず、多くの電力を使ってしまう場合があります。室外機は、スペースにゆとりのある風通しのよい場所に置くようにしましょう。また、日よけカバーなどで日陰を作るのも有効です。
自動設定で運転する
電気代が気になって、ある程度部屋が冷えてきたら弱風にしたり冷房を消したりしている方もいるかもしれません。
しかし、手動での調整は手間になるだけでなく、頻繁につけたり消したりするとかえって冷房効率が悪くなってしまいます。冷房は、自動快適運転や省エネモードなどがあるエアコンを使用するのがおすすめです。必要以上に部屋を冷やしすぎることがなく、効率的な運転を行ってくれるので、高い節電効果が期待できます。
利用場所ごとのエアコンの使い方
エアコンの電気代を節約するには、使用する環境ごとに適した使い方をすることが重要です。
リビング
リビングは出入りのために扉を開け閉めすることが多く、冷気が逃げやすい場所であるため、ある程度パワーのあるエアコンを選ぶのがおすすめです。小さめのエアコンでは、部屋を冷やすためにずっと強運転の状態になってしまい、電気代が高くなる可能性があります。
特に、吹き抜けがある場合やガラス窓が大きいリビングは、熱負荷が高くなることが多いです。扇風機を併用する、扉を開けっぱなしにしないなど冷房効率のよい環境造りを心がけることも大切です。
寝室
寝る前にエアコンを運転すると、気温が下がる朝方には寒いと感じることもありますよね。切タイマーを使用する方法もありますが、真夏は気が付かないうちに室温が上がり、夜間の熱中症になる危険性もあるため注意が必要。寝室はずっと付けっぱなしにしていても節電効果が得られる「省エネモード」がついているものがおすすめです。
子ども部屋
子ども部屋は、日中は学校や外出で使用しないことも多いため、ハイスペックなものを選ぶ必要はないでしょう。シンプルな機能で問題ありませんが、子どもが自分で適切な温度設定や風量調整を行うのは難しいもの。細かな設定をしなくても快適な室温を保つことができる「自動運転機能」がついているものが望ましいでしょう。
節電効果が高いエアコンの選び方
せっかくエアコンを買うなら、できるだけ節電効果が高いエアコンを選びたいですよね。ここからは、電気代節約につながるエアコン選びのポイントをご紹介します。
センサー機能をチェックする
エアコンは、「快適自動運転」や「省エネモード」などのセンサー機能をうまく使うと、省エネ効果が期待できます。センサー機能があると自動で快適な室温を維持することができるので、効率的に部屋を冷やすことができ、電気代節約につながります。
最適な畳数を選ぶ
エアコンは、部屋に対するサイズが大きすぎても小さすぎても消費電力が高くなってしまいます。人の出入りが多いリビングや吹き抜け、大きな窓がある場合などは畳数が大きめのエアコンがおすすめですが、子ども部屋や寝室は畳数の小さいものでも対応できる可能性があります。設置場所に適した畳数のエアコンを検討しましょう。
まとめ
今回は、節電効果の高いエアコンの使い方について解説しました。
エアコンの消費電力を抑えるためには、気温が高い日中は短時間であればつけっぱなし、気温が下がる夜間はこまめに消すという使い方がおすすめです。
また、フィルター掃除やサーキュレーターと扇風機の併用、エアコンの風向きや室外機の置き場所など、エアコンを使用する環境に注意することも節電につながります。エアコンを選ぶときには、つけっぱなしでも省エネ効果が得られるセンサー機能付きのものや利用場所に応じて適切なサイズのものを選び、無理なく節電を行いましょう。