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2階にエアコンを設置する際、最も悩ましいのが室外機の設置場所です。特に、隣家との距離が近い住宅地では、騒音や振動への配慮、さらには工事費用の問題も重要な検討事項となります。
この記事では、2階へのエアコン設置で直面する室外機の位置選びから、実際にかかる工事費用まで、具体的な情報をお届けします。
設置後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、事前に知っておくべきポイントを詳しく解説していきます。
2階エアコンの室外機、設置場所の選択肢は大きく3つ!
2階にエアコンを設置する際、室外機の設置場所は主に以下の3つが考えられます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自宅に適した場所を見つけましょう。
ベランダ・バルコニーへの設置
最も一般的で採用されることが多いのが、2階のベランダやバルコニーに室外機を設置する方法です。
✅メリット
・室内機と室外機の距離が近いため、冷媒配管やドレンホースが短く済み、材料費や工事費を抑えられる
・高所作業車や特別な足場が必要なく、作業の安全性が確保しやすい
・日常的な点検や清掃が容易に行える
✅デメリット
・室外機がベランダの貴重なスペースを占有してしまう
・洗濯物を干す際の邪魔になったり、ガーデニングスペースを制限したりする
・排出される熱風が洗濯物にかかる可能性がある
・ベランダで過ごす際の騒音や振動が気になる場合がある
1階の地上への設置
室外機を1階の庭や建物の裏側など、地上に設置する方法で、「立ち降ろし工事」とも呼ばれます。
✅メリット
・安定した地面に設置するため、室外機の振動が建物に伝わりにくく、騒音トラブルのリスクを低減できます
・ベランダのスペースを有効活用できる
・地上設置のため、日常的な清掃や点検が簡単
・近隣への騒音配慮がしやすい位置に設置可能
✅デメリット
・室内機のある2階から1階の地上まで配管を伸ばすため、配管の長さが必要となり、材料費や工事費が増加する傾向にあります
・建物の外壁に沿って配管が露出するため、建物の美観への影響が懸念される
・配管カバー(化粧カバー)を使用する場合、その分の費用が追加で発生
屋根置き・壁面設置
ベランダや地上に十分なスペースがない場合の選択肢として、屋根の上や外壁に室外機を設置する方法があります。
✅メリット
・限られた敷地や、ベランダ・地上スペースを最大限活用したい場合におすすめ
・建物の構造によっては、室外機が目立ちにくい場所に設置できる
・地上の貴重なスペースを確保できる
✅デメリット
・屋根の上や壁面への設置は高所作業や足場の設置が必須となるため、工事費用が他の設置方法と比較して高額になる
・高所にあるため、定期的な清掃や万が一の故障時の点検・修理がしにくい
・専門業者に依頼する際も、別途高所作業費がかかる場合があります
・強風時の安全性への配慮が必要
2階エアコンの取り付け費用は1~5万円と幅が大きい
エアコンの取り付け工事には「標準工事」と呼ばれる基本的な作業内容が設定されており、それ以外の作業が必要な場合に「追加工事費」が発生します。
一般的に、2階のエアコン取り付けにかかる費用は、1万円~5万円程度となることが多いです。ただし、この金額はあくまで目安であり、設置場所や建物の構造、そして取り付け工事を行う業者によって大きく異なります。
弊社エアココの費用目安は以下の通りです。
工事名 | 数量 | 費用 | 備考 |
---|---|---|---|
エアコン平地置き | 1台 | 15,000円 | ベランダ設置等 |
エアコン屋根置き | 1台 | 21,000円 | 高所作業含む |
エアコン壁面置き | 1台 | 21,000円 | 金具設置含む |
転倒防止工事 | 1セット | 2,400円 | 安全対策 |
アンカーボルト埋込み | 1か所 | 1,800円 | 接続部分 |
配管溶接 | 1か所 | 5,400円 | 接続部分 |
室外機高所搬入作業 | 1台 | 7,800円 | 2階以上 |
室外機高所撤出作業 | 1台 | 6,600円 | 2階以上 |
エアコンスリムダクト | 1本 | 4,080円 | 美観・保護 |
室外機の取り付け場所によって15,000円から21,000円ほどの取り付け費用の他、場所によっては、アンカーボルトの埋込みや配管費用、溶接費用がかかります。
エアコンの作業の流れが、作業に対して発生する費用は以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:https://aircoco.shop/blog/9/
費用が高くなる要因と対策
2階へのエアコン設置で費用が高額になる要因を理解し、事前に対策を検討することで、予想外の出費を防ぐことができます。
配管の長さによる影響
室内機と室外機を繋ぐ冷媒配管やドレンホース、電線の長さは費用に直結します。2階から1階の地上に室外機を設置する場合や、室内機と室外機の距離が離れている場合は特に注意が必要です。
✅化粧カバーの概算費用:
・室内用:2,000円~3,000円/m
・室外用:3,000円~4,000円/m
※材質(樹脂・金属)や色によって価格が変動
高所作業費・足場代
2階の壁に穴を開けたり、室外機を固定したりする際に、安全確保のための追加設備が必要となる場合があります。
✅高所作業に関する追加費用:
・高所作業費:7,800円~
・足場設置:10,000円~
・墜落防止器具設置:2,000円~5,000円
電圧変更工事費
一般的な家庭用エアコンは100V電源で稼働しますが、大型エアコンや高機能エアコンは200V電源が必要です。現在のお部屋のコンセントが100Vで、設置するエアコンが200V対応の場合、電気工事が必要となります。
✅電圧変更工事の費用:
・コンセント交換:3,000円~
・ブレーカー工事:4,000円~
・電線の張り替えが必要な場合:10,000円~
賢く費用を抑えるための実践的ポイント
エアコン設置費用を適正に抑えるためには、事前の準備と情報収集が重要です。以下のポイントを実践することで、無駄な出費を避けることができます。
複数業者からの相見積もり取得
同じ工事内容でも、業者によって料金設定や標準工事の範囲、追加料金の項目が大きく異なるため、少なくても3社以上から見積もりをもらい、以下の点を比較検討するようにしましょう!
・標準工事に含まれる内容の範囲
・追加工事が発生する条件と費用
・工事保証の内容と期間
・アフターサービスの充実度
時期を考慮した工事依頼
エアコンの需要が高まる時期を避けることで、より良い条件で工事を依頼できる可能性があります。
✅おすすめの依頼時期
・4月~5月:新生活シーズン後で比較的余裕がある
・9月~11月:夏の需要が落ち着いた時期
・2月~3月:需要期前のキャンペーン期間
✅避けるべき時期
・6月~8月:最需要期で料金が高騰
・12月~1月:年末年始で作業員の確保が困難
過去の記事でエアコンがお得に買える時期と購入時のポイントについてご紹介しているので合わせてみてみてください。
記事:エアコンをお得に買えるのはいつ?エアコンが安くなる時期と購入時の注意点とは
標準工事の範囲確認
工事を依頼する前に、「どこまでが標準工事に含まれるのか」「追加料金が発生する項目は何か」を確認しましょう。特に、配管の長さ制限や化粧カバーの有無、高所作業の扱いなど、費用が高くなりうる項目は細かくチェックしておきましょう。
✅ 確認すべき項目
・配管の長さ制限(通常4m以内が標準)
・化粧カバーの有無
・高所作業の扱い
・電圧変更工事の必要性
・穴あけ工事の追加料金
2階のエアコン設置で後悔しないための注意点
設置後の生活を快適にするためには、工事前の計画段階で以下の点を十分に検討することが重要です。
室外機の騒音・振動対策
設置場所が隣の家と近い場合や、寝室の窓のすぐ下など、生活空間に近い場所に設置すると、騒音や振動がトラブルの原因になることがあります。
〇 対策方法
・室外機の下に防振マットを設置(2,000円~4,000円)
・防音カバーの設置(10,000円~20,000円)
・隣家との境界から十分な距離を確保
・窓から離れた位置への設置を検討
配管ルートと外観への配慮
1階に室外機を設置する場合、2階の室内機から1階の室外機まで、長い配管が建物の外壁に露出することになります。美観と機能性の両立を図る対策が必要です。
〇 外観改善の方法
・配管カバー(化粧カバー)の使用
・建物の色調に合わせたカバー色の選択
・配管ルートの最適化による露出部分の最小化
・植栽による目隠し効果の活用
メンテナンス性の確保
室外機の定期的な清掃や点検は、エアコンの性能維持と寿命延長に不可欠です。設置場所を決める際は、将来のメンテナンス性も考慮に入れましょう
〇 メンテナンス性向上のポイント
・室外機周辺に十分なスペースを確保(前面60cm、側面30cm以上)
・清掃用具が届く高さへの設置
・点検口や作業スペースの確保
・定期清掃のしやすい場所の選択
業者選びが成功のカギ!信頼できる工事業者の選び方
エアコン設置工事の成功は、優良な業者選びにかかっています。以下のポイントを参考に、安心して任せられる業者を見つけましょう。
見積もりの透明性と詳細度
信頼できる業者は、見積もり内容が明確で分かりやすく、以下の要素が含まれています
〇 チェックすべき見積もり項目
・標準工事の具体的な作業内容
・追加工事が発生する場合の条件と金額
・材料費の内訳(配管、化粧カバー等)
・工事保証の内容と期間
・すべての項目が書面に記載されているか
口コミ・評判の総合的な評価
インターネット上の口コミサイトやSNS、知人からの評判などを参考に、実際にその業者を利用した人の声を確認しましょう。
〇 重点的にチェックすべき点
・工事の技術力と丁寧さ
・スタッフの対応とマナー
・工事後のアフターサービス
・トラブル時の対応力
・料金の適正性
有資格者による施工の確認
エアコン設置工事には電気工事士の資格が必要です。業者選びの際は、以下の点を確認しましょう
・電気工事士資格の保有状況
・施工実績と経験年数
・工事保険への加入状況
・地域での実績と信頼度
まとめ
2階へのエアコン設置では、室外機の設置場所が費用と快適性を大きく左右します。ベランダ設置は費用面で有利ですが、スペースの制約があります。
一方、1階地上設置は配管延長費用がかかりますが、騒音対策やスペース活用の面でメリットがあります。
重要なのは、ご自宅の環境と予算、そして将来のメンテナンス性を総合的に考慮して最適な選択をすることです。また、複数業者からの見積もり取得と、信頼できる業者選びが、満足度の高い工事結果につながります。
工事前の十分な検討と準備により、長期間快適にエアコンをご利用いただけるはずです。設置に関してご不明な点がございましたら、専門業者に相談されることをおすすめします。